学校法人帝塚山学園 創立80周年記念誌
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5帝塚山学園が創立80周年を迎え、ここに記念誌が発行されることになり、ご同慶の至りであります。帝塚山学園の創立の経緯については、学園五十年史に詳述されていますが、大阪の帝塚山学院の創立25周年記念事業として近畿日本鉄道株式会社から土地の無償提供を受け、旧制男子中学校として出発したのであります。山本初代理事長と庄野初代学園長の決断に敬意を表すると共に、開学の年に大戦が勃発し戦中戦後の困難な時期を乗り越えて、今日の総合学園を築き上げた森中学校長(後の第2代理事長)をはじめ80年間の役員・教職員と同窓会や帝塚山ファミリーの皆様のご苦労に心から感謝の念を捧げます。私は旧制中学校の学園第3期生でありますが、はからずも平成12年に理事長に就任し、少子化の波の顕在化に危機感を抱き10年半、母校の発展のために微力を盡しましたが、80歳を機に有山前理事長へお願いして第一線を退き今日に至っております。時流は極めて厳しく、省みて忸怩たる想いであります。この機会に特に申し上げたいのは、近畿日本鉄道株式会社の学園に対するご支援についてであります。創立時は元より、その後の運営についても約30年に亘り第3代・佐伯理事長、第4代・金森理事長と現職社長が理事長職を引受けて、学園の基盤構築やその後の発展に力を盡くされ、更に環境が極めて厳しい中を元副社長の現吉川理事長に就任頂き、経営改善に努力中であります。近鉄の山口元会長(元学園最高顧問)は、常に「帝塚山学園があってこそ、学園前駅を中心に関西随一の広大な文教高級住宅地が開発できたのだ」と言って、学園に厚意あるご助言を頂いてきたことを私は忘れることが出来ません。世界は現在、様々な困難に直面しています。不透明な時代に長期的視野から教育の重要性は高まっております。「社会に有為な人材を育成する」という建学の理念を掲げる我が帝塚山学園は、その責務を果たさなければなりません。今こそ帝塚山学園の底力を発揮する時であります。80周年を機に、多くの苦労を重ねた先人の歴史を振り返り、柔軟な発想を加えて、理事長の強いリーダーシップの下で一致団結して思い切った改革を断行すれば、必ずや輝ける100周年を迎えることが出来ると確信しております。“帝塚山学園よ永遠に栄あれ”と衷心より祈り、ご挨拶と致します。名誉理事長 山本 順英80th Anniversary創立80周年に寄せて

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