学校法人帝塚山学園 創立80周年記念誌
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42 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が日本で初めて確認されたのは2020(令和2)年1月16日、その12日後には奈良県在住の日本人への感染が確認されました。 そこからわずか1カ月で感染は急速に拡大し、2月27日、安倍晋三内閣総理大臣(当時)より、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的に全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に対して臨時休業措置が要請されました。 これに伴い、本学園においても緊急対策会議を開き、3月2日より春休み終了までの期間、幼稚園(2歳児教育含む)から高等学校について臨時休校とすることを決定しました。 また、新学期に向けて3月26日には「帝塚山学園新型コロナウイルス感染症対策本部」を立ち上げて対応を協議するも、市中での感染拡大は収まらず、4月7日には大阪府・兵庫県を含む7都府県で緊急事態宣言が政府から発出されるに至り、大学においては対面授業開始の延期を決定。また幼稚園から高等学校においても、臨時休校を更に延長することとなりました。オンライン授業の様子(大学)オンライン教材の制作風景(中学校・高等学校)臨時休校のため学園前キャンパス正門を閉鎖(2020年4月)学生の姿がない東生駒キャンパス(2020年5月) 2020(令和2)年初頭から世界的に猛威を振るい続ける、新型コロナウイルス。幾度となく感染拡大の波が押し寄せ、終息の見通しが立たない状況が続きます。 学園においても学生・生徒・児童及び園児の健康と安全の確保を最優先するため、幼稚園から高等学校においては、2020(令和2)年3月から5月にかけて臨時休校とし、また大学では対面授業の開始を延期する措置を執りましたが、いわゆる第1波が収まった6月以降は感染状況に応じた対策を講じながら、教育活動を継続してきました。 これまでに各学校園が取り組んできた感染防止対策について、取り上げます。②緊急事態宣言の延長により「学びを止めない」体制作りへ  4月16日には緊急事態宣言の対象地域が全国へと拡大。5月4日には宣言期間を同月31日まで延長することが政府から発表されました。これにあわせて、学園においても前述の措置を5月31日まで延長しました。 しかし、登校ができない環境にあっても子どもたちの学習機会を最大限確保するため、各学校園ではホームページや学習プリントの郵送による課題提示、あわせてオンラインでの授業やホームルームにも積極的に取り組み、何とか学校教育を維持し続けました。 このような試行錯誤による教育を続ける中、感染状況が一定基準を下回り、また医療体制の整備も進んだことから、5月14日に奈良県を含む39県で、21日に近畿地方で残っていた大阪府・京都府・兵庫県が、そして25日には全都道府県で緊急事態宣言が解除されました。 これに合わせて、幼稚園から高等学校における臨時休校についても5月31日をもって終了し、政府が提唱する「新しい生活様式」を踏まえた上で授業を再開することとなりました。 また、大学についても6月以降、個別指導・ゼミナールの再開、一部の授業科目を対面で実施するなど、段階的に入構制限を緩和しました。①2020(令和2)年3月、政府からの要請に基づき臨時休校に PICK UP 4コロナで学びを止めない

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