学校法人帝塚山学園

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学園前アートフェスタ2022 シンポジウム「文化振興による地域創造~街育~」が開催されました

7月3日、奈良市西部会館市民ホール(学園前ホール)にて、学園前アートフェスタ2022シンポジウム「文化振興による地域創造~街育~」(主催:学園前街育プロジェクト実行委員会〔構成団体:奈良市学園南地区自治連合会、学校法人帝塚山学園、公益財団法人大和文華館、公益財団法人中野美術館、公益財団法人奈良市生涯学習財団西部公民館、奈良市西部会館市民ホール(日本環境マネジメント株式会社)、株式会社淺沼組、GALLERY GM-1〕)が開催されました。

今回のシンポジウムのテーマは「文化振興による地域創造」。活力に富む“街”とは何か、地域や街の活性化の切り口の一つである文化振興による地域創造について、文化政策に関する専門家による基調講演、さらには自治体や産業界、芸術・文化界等、各分野の識者による話題提供がなされました。会場には80名を超える市民が集まり、さまざまな視点にもとづく地域創造の課題や方向性、今後のあり方について議論がなされました。

シンポジウムの開会にあたり、学園前街育プロジェクト実行委員会委員長を務める冨岡 將人 学校法人帝塚山学園理事長・学園長より、2015年に帝塚山学園の働きかけによってスタートしたアートフェスタについて、これまでの経緯が振り返られるとともに、今回のテーマである「文化振興による地域創造」について、活発で実りある議論に期待したいとの挨拶がなされました。

基調講演では、藤野 一夫 芸術文化観光専門職大学副学長・芸術文化・観光学部教授が登壇されました。「文化的コモンズをつくるアートプロジェクト『街育』の魅力」をテーマに、日本さらには諸外国における文化・芸術とまちづくりの実例を丁寧に振り返りながら、文化的景観を守っていくための地域コミュニティにおけるアートプロジェクトの必要性や「文化的コモンズ」について、専門的見地からの説明がなされました。

これに続き、4名のパネリストがそれぞれの立場から話題提供を行いました。まず、向井 政彦 奈良市副市長は、「奈良市における文化振興」をテーマに、これまでの取り組みや経緯、令和4年度から新たにスタートした「第2次奈良市文化振興計画」について解説しました。続いて、外岡 栄自 近鉄不動産株式会社アセット事業本部賃貸事業部学園前北地区開発プロジェクト担当部長が「近鉄学園前駅を中心としたまちづくりアルバム」と題し、学園前地区のまちづくりの経緯について、1942(昭和17)年の近鉄学園前駅開設から現代に至るまで、当時の貴重な写真を中心に振り返りました。浅野 秀剛 学園前街育プロジェクト実行委員・公益財団法人大和文華館館長は「日本のアートプロジェクトと学園前アートフェスタ」を演題に、日本各地のアートプロジェクトの実態をふまえ、現状や課題を整理しました。最後に、西尾 美也 奈良県立大学地域創造学部准教授は「地域創造としてのアートマネジメント」をテーマに、同大学の実践型アートマネジメント人材育成プログラム「CHISOU」について、大学教員、アーティスト、企画者としての立場から解説しました。

   

後半のパネルディスカッションでは、北澤 嘉浩 帝塚山大学現代生活学部居住空間デザイン学科教授をモデレーターに迎え、基調講演を行った藤野氏、パネリストの向井氏、外岡氏、西尾氏、浅野氏の4名に加え、住民代表として、廣嶋 嘉昭 学園前街育プロジェクト実行委員会副会長、猿橋 裕子 同実行委員会委員らがそれぞれの立場から、地域や街の活力、活性化のための文化振興の必要性、地域創造について議論を行いました。対象を現代アートのみならず、伝統芸能や音楽、演劇など幅広いジャンルに多角化していくべき、文化・芸術を通して住民自治を実現する必要性などが示されました。また、多くの美術館を擁する学園前地区の魅力を再確認するとともに、住民こそが重要な地域の資源であるとの意見も出され、フロアとのやりとりもなされました。

   

最後に、小國 陽佑NPO法人芸法代表から「学園前アートフェスタ2022」の見どころについて解説がありました。今年のテーマは「Canvas as Campus」、11月5日から12日にかけて学園前地区一帯で開催されます。

学園前アートフェスタの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.gakuenmae-af.com/
(学園前アートフェスタは奈良市文化振興補助事業として行われています)